
【ニューヨーク=清水石珠実】米通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズが全従業員の約15%にあたる1万5000人規模の人員削減を計画していることが分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が13日に報じた。主力の携帯電話事業で契約者の流出が続いており、従業員の削減で財務体質を強化する狙いがある。
WSJは、関係者の話しとして、削減計画は早ければ来週にも実施される可能性があると報じた。並行して、直営の小売店約200店をフランチャイズ方式に移行し、雇用コストを削減する計画もあるという。
米国の携帯市場でベライゾンは安定した通信網を売りにビジネス顧客などを獲得し、競合他社よりやや割高な料金でも業界首位の立場を維持してきた。だが高速通信規格「5G」の全国展開で、2位のTモバイルUSに後れを取り、3四半期連続で契約者数(プリペイドは除く)は純減となった。
状況の打開を目指して、10月上旬に同社は経営トップを交代した。ハンス・ベストバーグ前最高経営責任者(CEO)が退任し、取締役を務めていたダン・シュルマン氏を新しいCEOに指名した。シュルマン氏は、米電子決済大手ペイパル・ホールディングスでCEOを務めていた経験もある。
シュルマン氏は就任時の声明で「ベライゾンは岐路にある」と危機感を示し、コスト構造や財務状況の改善に迅速にメスを入れる方針を示していた。
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