
トヨタ自動車は14日、液体水素を燃料とするエンジン車の開発方針を発表した。燃料をくみ出すポンプ用の超電導モーターを開発し、充塡1回での走行距離を伸ばす。温暖化ガスを排出しない水素エンジン車の市販化に向け、まずは超電導モーターの搭載車を耐久レースへ出場させる目標だ。
サーキット「富士スピードウェイ」(静岡県小山町)で15〜16日に開催される自動車耐久レース「スーパー耐久シリーズ2025」最終戦(第7戦)に合わせ、超電導モーターの搭載車が走行する様子を報道陣に公開する。
超電導モーターは、電動航空機の動力源としても期待される次世代の技術だ。小型・軽量化と高出力化を両立でき、液体水素エンジン車ではポンプを小型化して燃料タンク内に搭載できる。タンクの容量を従来比1.3倍以上の300リットルまで増やせ、航続距離を伸ばせる。
超電導は物質の電気抵抗が低温下でゼロになる現象を利用し、エネルギー損失を抑えて効率を高める。液体水素もマイナス253度で扱うため、低温環境を生かせる。
スーパー耐久最終戦では、米国を代表する自動車レース「NASCAR(ナスカー)」の車両を走行させるイベントも予定している。米国の高関税政策が続くなか、自動車競技を通じた交流を深める狙いだ。
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