石破茂前首相は18日、朝日新聞のインタビューに応じ、自身の進めたコメの増産方針や高騰した米価への介入が退陣後に事実上撤回されたことについて、明治維新の「王政復古の大号令」にたとえて皮肉を述べた。政府が経済対策で検討中の「おこめ券」配布についても疑問を呈した。

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 石破政権下では生産調整で抑制してきたコメの「増産にかじを切る」としていた。高市政権で農林水産相に就いた鈴木憲和氏は、生産調整の決まり文句だった「需要に応じた生産」に戻した。石破氏はこれに対し「莫大(ばくだい)な税金を使ってコメの価格を維持する生産調整は正しくない」とし、「王政復古の大号令なのか、農政復古の大号令なのかわからない」と述べた。

 石破氏は首相在任中、「コメは(5キロあたり)3千円台でなければならない」として、備蓄米放出などで米価に介入した。一方、鈴木氏は、洋服の価格が市場の需給で決まることを持ち出し、米価には介入しない姿勢を示している。石破氏は、「主食と洋服とでは性格が違う」と反論した。

 政府は月内に閣議決定する予定の経済対策に、「おこめ券」を含めた支援策を盛り込む方向で検討している。石破氏は、「生産調整と消費の支援に税金を二重で使う」と指摘。「妥当性を理解できない。事務費用もかさむ」と異論を唱えた。

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