米連邦準備制度理事会(FRB)=ワシントンで2025年11月14日、ロイター

 米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、2会合連続の利下げを決めた10月28、29日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公開した。次回12月会合での追加利下げについて、多くの参加者が慎重な姿勢を示していることが判明。利下げを支持する声も複数あるものの、年内は金利を据え置く可能性が高まった。

 議事録によると、今後の短期的な金融政策の道筋について参加者から大きく異なる見解が示された。大半の参加者は利下げペースを落としたうえで利下げ路線を継続するのが妥当との認識を示した。一方、複数の参加者は米経済が予想通りに推移すれば、12月会合でも更なる利下げが必要になると評価した。

 失業率の小幅な上昇と雇用増加ペースの鈍化など雇用の下振れリスクが高まる一方で、堅調な経済成長と根強い物価上昇(インフレ)が併存しており、多くのメンバーは「政策判断にとって特に困難な環境が生じている」との意見を示している。

 FRBは10月会合で、0・25%の利下げを賛成多数で決めた。金利据え置きを求め反対票を投じたのはカンザスシティー連銀のシュミッド総裁だけだったが、議事録によれば、複数の参加者が金利据え置きも選択肢だとして利下げに反対していた。市場でも12月会合での一層の利下げを見込む声が多かったが、パウエル議長は10月会合後の記者会見で「既定路線ではない」とけん制していた。【ワシントン浅川大樹】

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