NTTグループでドローンのサービス開発を手掛けるNTT e-Drone Technology（NTTイードローン）は、神奈川県内の公共下水道管路でドローンによる飛行検証を実施したと発表した。通信用の電波を増幅して安定飛行ができる仕組みを構築し、人工知能（AI）による損傷解析を行うことで効率的な点検手法を実証した。

エヌ・ティ・ティ エムイー（NTT-ME）、NTT東日本と共同で10月20日と10月31日に実施した。場所は神奈川県内の雨水貯留管2カ所と汚水幹線1カ所で、屋内用ドローン「ELIOS 3」と汎用ドローン「Skydio X10」を用いた。

検証の結果、狭隘（きょうあい）・暗所でも屈曲部2カ所を含む約150メートルの安定飛行ができた。高輝度LEDライトと高解像度カメラで管内の状況を鮮明にとらえられた。独自の電波増幅器を活用することで、従来では困難だった下水道管内における直角に屈曲した構造の箇所を2カ所通過することに成功した。

NTTイードローンのAI解析「eドローンAI」による損傷箇所の自動検出にも成功した。撮影した画像を解析した結果、軸方向と円周方向に伸びるひび割れを高い精度で検出できた。過年度点検調書と比較しても、人の目で確認する場合と遜色ない結果が得られたという。

3社は今回の検証結果を踏まえ、神奈川県内や全国の自治体・下水道点検事業者へのドローンの導入支援を強化する。AIなど含めた新技術の活用による下水道点検・地下設備点検の課題解決に取り組む。

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