
【シリコンバレー=山田遼太郎】米人工知能(AI)開発新興のアンソロピックは24日、新たなAIモデル「クロードオーパス4.5」の提供を始めたと発表した。企業や開発者向けの価格を従来の3分の1に下げ、利用しやすくする。
オーパス4.5はアンソロピックの最も高性能なモデル。英語で70万語以上に相当する「100万トークン」の情報量を処理する料金を、入力の場合で15ドルから5ドルに、出力の場合は75ドルから25ドルに下げた。
米オープンAIの「GPT-5」や米グーグルの「Gemini(ジェミニ)3」と比べて高いものの、価格差が縮まる。アンソロピックの新モデルはプログラミングを強みとし、性能試験の一つでオープンAIの「GPT-5.1」とジェミニ3を上回ったという。
アンソロピックによると、同社がエンジニアの採用候補に与える課題に2時間で取り組んだ場合の点数で、オーパス4.5はこれまでの人間の候補者全員の点数を上回ったという。アンソロピックは「AIがエンジニアの職業をどう変えるかについて問題を提起する結果だ」としている。
新モデルは表計算ソフト「エクセル」上での企業の財務分析にも利用でき、金融機関から引き合いが強いという。アンソロピックは世界に30万社の法人顧客を抱える。企業向けのAI提供に特化し、消費者に浸透するオープンAIに対抗している。
最新AIモデルを巡ってはオープンAIが12日にGPT-5.1、グーグルが18日にジェミニ3を発表した。グーグルがオープンAIを上回る性能を実現したとの見方が広がっている。
【関連記事】
- ・MicrosoftとNVIDIA、米AI新興アンソロピックに計2.3兆円投資
- ・アンソロピックやOpenAI、クラウド大手と全方位提携 資金循環に懸念
- ・アンソロピックCEO、AIバブル論と一線 コード生成「年1500億円に」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。