
東京ガスは26日、米ルイジアナ州の液化天然ガス(LNG)基地から年100万トンのLNGを調達すると発表した。調達期間は2030年から20年間。LNGの最終的な送り先は柔軟に変更できる。LNGは都市ガスの原料や火力発電所の燃料などに使う。
米LNG開発新興のベンチャーグローバルと契約を結んだ。調達先となる具体的なLNG基地の名前や調達価格は非公表となっている。東ガスは30年以降にLNG調達契約が順次切れてくため、新たな調達契約の締結が求められていた。
東ガスは25年3月期にLNGを1155万トン調達したが、オーストラリアやマレーシア、ロシアからの調達が中心で、米国からは7%に相当する77万トンにとどまっていた。
米国産はLNGの最終的な送り先について条件が付いていないことが多くて扱いやすい。日本のエネルギー安定供給の確保につながるほか、各国の需給や市場価格に応じてLNGを転売できる。25年はJERAや九州電力なども米国産LNGの調達を発表している。
今回の契約で東ガスはカーボンニュートラルの達成を目指す50年の直前までLNGを調達することになる。25年2月に発表された政府の第7次エネルギー基本計画では、天然ガスは二酸化炭素の回収・貯留(CCS)などによる脱炭素化も見込まれることから、「カーボンニュートラル実現後も重要なエネルギー」として位置づけられた。
東ガスは水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガス原料をつくる「メタネーション」の研究開発も行っているが、足元では既存のLNGも安定確保する必要があるため、LNG調達の新規契約や契約更新を進める。
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