
自動車や電機など主要製造業の労働組合が加盟する金属労協は26日、2026年の春季労使交渉で賃金を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を月1万2000円以上とする要求方針案を発表した。過去最高額の25年から据え置いた。米国の関税政策などで一部の産業は業績が悪化しているが、物価高対応には高水準の賃上げ要求が不可欠と判断した。
同日の幹部会議で方針案を固めた。12月3日に開く協議委員会で正式決定する。ベア要求は13年連続で、1万2000円は約4%の賃上げに相当する。
金属労協は自動車総連、電機連合、基幹労連、ものづくり産業労働組合JAM、全電線の5つの産別労組で構成し、組合員は約200万人。25年交渉の獲得実績は7月時点で1万169円と、24年(9055円)比で1割ほど増えていた。
記者会見した金属労協の金子晃浩議長は、25年交渉で獲得額が要求方針を下回ったことを踏まえ、「今回は要求基準としての提案だが、ある意味で(春季交渉の)妥結基準に近い思いを込めた。賃上げの結果にこだわる」とした。
金属労協の要求水準は、傘下の労組が個別の会社に要求する金額の目安となる。今後は自動車や鉄鋼業界などで要求水準の具体的な策定が本格化する。
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