コンビニエンスストアに並ぶミルクセーキやカフェラテ=ロンドンで2025年11月26、福永方人撮影

 英国政府は26日、2026年度の予算案を発表した。一定量以上の糖分を含む飲料に課税する通称「砂糖税」の対象を拡大し、含有量の基準も厳しくする措置が盛り込まれた。肥満対策や税収増による財政赤字の補塡(ほてん)が目的。一部のメーカーは糖分の削減を余儀なくされるとみられ、日本の大手も対応を迫られる可能性がある。

 砂糖税は、100ミリリットル当たり5グラム以上の糖分を含む清涼飲料に1リットル当たり18ペンス(約37円)以上の税金を課す制度。

 労働党のスターマー政権は糖分量の基準値を4・5グラムに引き下げるほかミルクセーキやカフェラテなどの乳飲料も対象に加える。ただし、カフェなどの飲食店で提供されるものは対象外となる。

 「ミルクセーキ税」とも呼ばれる今回の課税強化は、28年1月1日から適用される見通し。政府は年間約4000万~4500万ポンド(約83億~93億円)の歳入増を見込む。

サントリー食品インターナショナルが展開するエナジードリンク「ルコゼード」=ロンドンで2025年11月26日、福永方人撮影

 日本のサントリー食品インターナショナルが展開する英国の人気エナジードリンク「ルコゼード」も、糖分量が100ミリリットル当たり4・5グラムの品目があり、新基準では課税対象になるとみられる。

 英メディアによると、砂糖税は16年に保守党のキャメロン政権が導入を決めた。当時、多くの飲料メーカーが課税回避のために糖分を抑える改良を加えた。

 その結果、例えば炭酸飲料などは、同じブランドでも英国と日本では風味が異なるとされる。同様の課税は中南米の一部の国なども実施している。【ロンドン福永方人】

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