▼AI半導体 主にデータセンターのサーバーに搭載され、人工知能(AI)の頭脳の役割を果たす。計算用の画像処理半導体(GPU)と複数の広帯域メモリー(HBM)などで構成する。GPUとHBMの間で瞬時に膨大な量のデータをやりとりする。消費電力が大きくなりがちなほか、供給不足による価格高騰で簡単に調達できない課題も出ている。

GPUは米半導体大手のエヌビディアが9割以上の世界シェアを握る。ゲームなどの映像を滑らかにするために使われていたが、大量のデータを処理できる特長にAI開発者が着目し需要が急増した。HBMは韓国SKハイニックスが高いシェアを持つ。台湾積体電路製造(TSMC)がAI半導体に仕上げる独自の組み立て技術を持つ。

従来AI半導体の役割はAIに膨大なデータを読み込ませる「学習」向けが中心だったが、2025年に入り利用者の質問に答える「推論」の需要が高まった。扱うデータ量が増え、HBMにはさらなるデータ転送速度が求められる。足元では米メタが、米グーグルの開発したAI半導体の採用を検討するなど、エヌビディア一強だった競争環境にも変化の兆しが出ている。

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