パーソルグループのパーソルビジネスプロセスデザイン（東京・港）は、航空測量を手掛けるアジア航測と共同で、測量分野でのドローンの活用に向けた実証実験を行ったと発表した。無人地帯で補助者なしで目視外飛行を行う「レベル3.5」飛行を実施するとともに、有人地帯で補助者なしで目視外飛行をする将来の「レベル4」飛行に向けた運用方法を検討した。
今回の実験では、中山間地域での離陸場所から3キロメートル離れた河川と砂防施設をレベル3.5飛行のドローンで撮影し、撮影データから3次元（3D）モデルを作成した。パーソルビジネスプロセスデザインは、運用手法や飛行技術の支援として通信環境の調査から機体の設定、状況に合わせたルートの案内、緊急着陸場所の設定などを担当した。
実証の結果、操縦者・補助者が目視できない状態でも、3Dデータの取得に必要な飛行ができることを確認した。
将来のレベル4飛行に向けた技術や環境、飛行方法などの調査も実施した。パーソルビジネスプロセスデザインは、レベル4飛行を実施する際のエリア選定として、点検・測量の実務を想定したエリアや撮影対象物の調査、自治体との連携によるフィールドの手配を支援した。
今回の実証で用いた機体制御技術や運用手法がレベル4飛行でも有効なことが確認できた一方で、レベルに応じてより安全かつ効率的な飛行をするには、ルート設計でのリスク評価・対策のプロセス構築が必要なことをが判明した。
航空法の改正で2022年12月にレベル4飛行が解禁されたが、現在の実例は物流分野に限られている。測量業界でもドローン活用のニーズが高まっているが、広域や有人地帯での飛行に関する申請・運用のハードルが高く、補助者なしの目視外飛行は物流に比べて少ない状況にあるという。
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