共同通信社と産経新聞社、毎日新聞社の3社は1日、生成AI(人工知能)検索サービスを展開する米新興企業「パープレキシティ」に対し、記事を無断で利用し著作権を侵害しているとして、即時利用停止を求める抗議書を送付した。共同通信に加盟する55社のうち48社も連名で抗議声明を発表した。
パープレキシティを巡っては、日本経済新聞社と朝日新聞社が8月、損害賠償を求めて提訴。読売新聞の東京、大阪、西部の3本社も同様の訴訟を起こした。国内の主要新聞・通信各社が抗議する姿勢を鮮明にすることで、パープレキシティに適正な対応を求める。
共同通信は抗議書で、パープレキシティが2024年8月からの約1年間、共同通信や加盟新聞社の記事が掲載されるニュースサイト「47NEWS」に計数十万回アクセスしたことを確認したと指摘。許諾なしに記事を収集・複製し、回答生成に利用して著作権を侵害したと説明した。
また、回答の参照元として共同通信の記事を表示しながら、記事の内容と異なる虚偽情報を回答として示し、共同通信のニュースコンテンツの信頼・ブランド価値を毀損したと主張した。
パープレキシティはAIを用いた対話型検索サービスを提供している。サイトの一覧を示す従来の検索サービスと違い、著作権侵害の懸念が強いとされる。
共同通信社の話 AI企業が無許諾で記事を利活用することは公正な報道を継続する基盤を破壊するものであり到底容認できない。
産経新聞社広報部の話 当社が労力と費用を投じて作成したコンテンツの無断利用、および無断利用のうえ当社の信用を毀損する形で表示する行為は到底容認することはできない。
毎日新聞社社長室広報ユニットの話 違法行為を繰り返す事業者には速やかな対応を求めるとともに、報道機関の役割や生成AIを巡るルールのあり方について引き続き訴えていく。〔共同〕
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