▼半導体産業の支援策 各国・地域の政府は半導体製造や開発を後押しする産業政策や財政出動などを拡大してきた。新型コロナウイルス禍で半導体の調達難が広がったのを契機に、生産能力を海外に依存するリスクが意識されるようになった。日米欧の政府は、自地域での半導体投資を促そうと巨額の補助金を準備した。

支援政策で先行したのは中国だ。2015年にハイテク産業の育成を掲げた。基金などを通じた支援を背景に中国の半導体企業は急成長を遂げている。米国半導体工業会(SIA)によると世界の生産能力に占めるシェアは、05年と25年で米国は14%から11%、欧州は17%から8%に下がるのに対し、中国は7%から24%に上がる見通しだ。

米国は22年に「CHIPS・科学法」を、欧州連合(EU)は23年に「欧州半導体法」を成立させた。それぞれ製造拠点の整備や研究開発に補助金を出し、税制面での優遇措置なども設けた。日本はラピダスによる先端品の製造投資から、台湾積体電路製造(TSMC)の工場投資などに支援の幅を広げ、30年度までの7年で半導体・人工知能(AI)分野に10兆円以上の公的支援を投じるとしている。

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