東京ガスは2日、カナダ中部のマニトバ州で同国の合成メタン開発事業者と協業し、実質的に二酸化炭素(CO2)を排出しない都市ガス原料「合成メタン」を製造すると発表した。年間生産量は3万トン。運転開始は30年度内を想定する。
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テラルタ・ハイドロジェン・ソリューションズと合成メタン製造事業を共同開発する。水力発電で生み出した再生可能エネルギー電力で漂白剤を製造したときに副産物として生産される水素と、工業由来のCO2を原料につくる。つくった合成メタンは日本に全量輸出して、都市ガス原料にする。
都市ガス業界は現状、化石燃料の天然ガスを原料に都市ガスをつくっている。各社は温暖化ガスの削減に向けて、再生可能エネルギー由来などの水素や、工場などから回収したCO2を使って、人工的に合成メタンをつくり、原料として活用する方針だ。
合成メタンは燃焼時にCO2が出るが、原料に工場などから回収したCO2を再利用する。再生可能エネルギー由来の水素を使うことで実質的に温暖化ガスの排出量はゼロとみなされ、脱炭素につなげられる。
東ガスは30年度までに都市ガス供給量の1%相当を合成メタンかバイオメタンに切り替える方針だ。40年までに10%以上を導入する目標も掲げている。
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