4日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(価格は下落)し、一時、前日より0.020%幅高い1.910%をつけた。2007年7月以来、約18年半ぶりの高水準だ。日本銀行が12月の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの見方が広がっているほか、財政懸念もあって国債が売られている。
- 【そもそも解説】長期金利は「経済の体温計」 なぜ上昇?影響は?
日銀の植田和男総裁は1日の講演で、12月の会合で「利上げの是非について、適切に判断したい」と発言。金融市場で急速に利上げの織り込みが進み、東短リサーチによると、市場が予想する12月会合での利上げ確率は3日午後時点で80%に上る。
加えて材料視されているのが高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」だ。経済対策のための国債増発に伴い、財政が悪化するとの懸念が拡大。国債の売りにつながっている。長期金利はこの1カ月ほどで0.2%幅近く急上昇してきた。今後の財政拡張が強く意識されれば、さらなる金利上昇につながる可能性がある。
長期金利は住宅ローンの固定金利の指標となる。三菱UFJ銀行など3メガバンクは12月に固定金利を引き上げ、10年固定金利は、それぞれ発足以降で最高水準となっている。
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