名鉄百貨店一宮店の後継として開業する「イチ*ビル」=愛知県一宮市で2025年12月4日、川瀬慎一朗撮影

 名鉄一宮駅(愛知県一宮市)に直結し、2024年1月末に閉店した名鉄百貨店一宮店の後継となる新商業施設「イチ*ビル」が5日、開業する。計40店舗が入り、繊維産業の町らしさが随所に見て取れる店構えとなっている。

 旧一宮店は2000年に開業したが、収益向上が見込めず24年に閉店。その後、ビルの老朽化に伴う大規模修繕・リニューアル工事を実施していた。

1階入り口付近に置かれた名鉄百貨店一宮店の象徴だったマーキュリー像と織物をイメージした装飾=愛知県一宮市で2025年12月4日、川瀬慎一朗撮影

 新たに生まれ変わった建物の外観は、繊維産業を基盤に栄えてきた一宮の歴史を踏まえ、自動機織り機に見立たてている。1階外周の照明は尾州織をモチーフとしたデザイン。尾州織で使用するションヘル織機から紡ぎ出される織物をイメージした装飾もある。

 延べ床面積は3万899平方メートル、地下1階~地上7階建て。6階のみオフィスで、その他の階には商業施設やクリニックなどが入り、スーパーマーケット「ロピア」(4階)や生活雑貨の「ロフト」(2階)も出店。1階には旧一宮店の象徴だった「マーキュリー像」が移設されたほか、名古屋市の老舗和菓子屋「両口屋是清」も再出店する。

 名鉄まちづくり推進部の後藤俊幸課長は「お客様のニーズにあったテナントに集まってもらった。地域の皆様が毎日でも来たくなる施設になってほしい」と話している。【川瀬慎一朗】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。