コイルなどの自動巻線機を手がけるNITTOKUは5日、電池用検査装置の片岡製作所(京都市)の再建を支援すると発表した。片岡製作所は電気自動車(EV)の市場環境悪化などを受けて、7月に民事再生法の適用を申請していた。NITTOKUが事業承継する方向で協議し2026年1〜2月の最終合意を目指す。

片岡製作所のペロブスカイト型太陽電池用のレーザー加工装置

NITTOKUは5日付で、スポンサー支援について片岡製作所と基本合意した。NITTOKUは片岡製作所と取引関係にあり「片岡製作所との協業を継続することは、将来の成長に有効に働く」とコメントした。

レーザー加工機、2次電池検査装置など片岡製作所の全事業の承継を目指す。具体的な事業承継の範囲は今後協議する。NITTOKUは26年3月期の業績に与える影響について「軽微なものとなる見込み」としている。

NITTOKUは、ロール状の材料を加工し巻き取るフィルム搬送装置に使うレーザー加工機を片岡製作所に外注しているが、事業承継で内製化できる見通し。NITTOKUがすでに販売している2次電池の製造装置に加えて、片岡製作所の検査装置も取り扱えるようになる。

片岡製作所は1968年の設立。7月に民事再生法の適用を申請し、8月に再生手続き開始決定を受けた。EV需要の拡大に向けて工場の拡張を進めていたが、市場環境の悪化で投資負担が重荷になり経営破綻した。

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