サンリオ唯一の屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」は大分県日出町にある

サンリオ唯一の屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」(大分県日出町)を運営するサンリオエンターテイメント(東京都多摩市)は8日、同ランドの滞在型リゾート化に向けた基本構想を発表した。施設を全面改修しホテルも建設する。初期投資は100億円で総投資額は数百億円になるとみられ、完成までには10年かかる見通しだ。

「天空のパーク構想」と名付けた基本構想によると、屋外型の最大の弱点である雨を防ぐため中心部分に「大屋根」を設置する。高低差のある敷地をいかし、入場ゲートは現在の場所から下の位置に移し、移動にはロープウエーや電動モビリティーを導入する。

サンリオの世界観を楽しめるホテルは同ランド近くの小高い場所に整備し、別府湾を一望できるようにするという。

ハーモニーランドのリニューアル完成イメージ図

滞在型リゾート化は別府や由布院に近い地の利をいかし、同ランドがハブとなって県内観光地への周遊を促す狙いもある。大分県庁で記者会見した小巻亜矢社長は「まずは入場者数100万人を実現し、すべての施設がそろう約10年後には200万人を目指したい」と話した。

同社は社内に「ハーモニーランド未来共創室(仮称)」を立ち上げ、ファンや地元の声も吸い上げる。2026年中に基本計画を発表し、その後、他企業などとコンソーシアムを組成する予定だ。

同ランドは大分空港(国東市)から車で約30分の場所にある。目玉はハローキティやシナモンなどの人気キャラが一堂に会するダンスショーで15のアトラクションがある。料金は4歳以上のパスポートチケット1人3600円。

1991年に大分県都市公園「一村一品クラフト公園」内に開業した。当時の知事の要請をサンリオが受け入れ、県なども出資する第三セクター方式だった。しかし、その後の景気低迷やテーマパークの乱立、立地の不便さなどから、ほぼ恒常的に赤字が続いた。

経営危機に陥り、第三セクターから運営を引き継いだのが2009年設立のサンリオエンターテイメントだった。

国内外でキャラクターの人気が高まるのに合わせて入場者数が増加。天候不順の影響で25年3月期の入場者は前の期比5%減の49万人になったが、売上高は12%増の30億円だった。オリジナルグッズの堅調な販売が業績を支えている。今期は入場者数も売上高も好調が続いているという。

サンリオエンターテイメントはほかに屋内型テーマパーク「ピューロランド」(東京都多摩市)を運営しているが、屋内型のため増設が難しい。一方、屋外型のハーモニーランドは敷地拡大の余地があり、サンリオ初の滞在型リゾートへの転換が可能だと判断した。

24年12月にサンリオと大分県は地域活性化の包括連携協定を締結。大分空港の愛称が「大分ハローキティ空港」になったのもその一環だ。

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