
東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は8日、青森県東通村で計画する東電東通原子力発電所1号機について「貴重な電源だ」としたうえで、「一日も早く建設工事を再開できるよう全力を注ぐ」と述べた。
同日、東通村の畑中稔朗村長らが東電HD本社を訪れ、東通原発1号機の建設再開を要望した。小早川社長が畑中村長との面談後に記者団の取材に応じた。小早川社長は「青森の将来像を実現するため工程表の改善などを進める」とも話した。
東電東通原発1号機は2011年1月に着工したが、直後の東日本大震災後に建設が中断した。14年超にわたり、再開のめどが立っていない。畑中村長は工事停滞により地元経済が「疲弊しているのは変わらない。年々ダメージが重なっている」とした。
東電は19年、地域貢献策などを盛り込んだ青森行動計画を策定。25年には地域交流機能を備えた青森オフィス「nooqu OFFICE」(ノークオフィス)を開設し、12月から一般開放が始まった。畑中村長は「計画に基づいた取り組みが着実に進んでいることは評価したい」と述べた。
小早川社長は記者団に「まずは柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働に注力していく」とした上で、東通原発の立地地域への対応について「東日本側のいわゆるカーボンニュートラル電源、ベース電源としての原子力発電所の再稼働はかなり遅れている。日本の経済を支えるためにも次の段階にも取り組む」と語った。
具体策として人材確保の必要性を強調した。「原子力を支える技術人材やメーカーが建設にかけるリソースも必要。連携、協力していくことが重要だ」と述べた。
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