
【ニューヨーク=清水石珠実】米IBMは8日、データの「ストリーム(逐次)処理」に強みを持つ米コンフルエントを買収することで合意したと発表した。買収額(負債を含む)は110億ドル(約1.7兆円)。需要が増しているリアルタイムで多様なデータを分析する技術を取り込み、法人向け人工知能(AI)事業を強化する。
コンフルエントは、大規模なAIモデルが使う大量のデータを逐次に処理できるプラットフォーム(基盤)を提供する。IBMにとって過去数年で最大級の買収案件で、AIブームを支える重要技術となると判断した。
IBMは、コンフルエント株1株あたり31ドルを払う。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、コンフルエントの時価総額は5日時点で約80億ドルで、3割強のプレミアムを乗せた額で買収した計算になる。
米当局の審査などを経て、2026年半ばの手続き完了を目指す。
米ウェドブッシュ証券のアナリストは、コンフルエントの買収は「(IBMの既存事業と)高いシナジー効果を期待できる」と評価した。買収合意を受けて、コンフルエントの株価は8日、前週末終値比で30%近く高い水準で推移している。IBM株はほぼ横ばいで取引されている。
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