一面雪景色の大通公園=札幌市中央区で2025年11月18日午後2時22分、森原彩子撮影

 札幌市と北海道運輸局札幌運輸支局は、今冬から市内のコンビニエンスストア協力22店舗をバス待合所として利用する取り組みを始めた。道内は降雪が多く、屋外のバス停で待つのに負担が重い。利用客に少しでも快適に過ごしてもらう狙いがある。

 市によると、2024年の市内の1日当たりのバス運行便数は7153便。慢性的な運転手不足を背景に19年からの5年間で24%減となった。利便性の維持、向上が課題になる中、バス待ち時の環境改善に乗り出した。

 市内に雪や寒さをしのぐ機能のあるバス停は多くない。市は待合所として、コンビニに着目。セブンイレブン、セイコーマート、ローソンが市の呼びかけに応じ、1日から一部の店舗で協力することになった。

バス待合所として利用できることを示すステッカー。コンビニエンスストアの店舗入り口などに張られる=札幌市提供

 協力するのは、店舗前にバス停のあるセブンイレブン17店、セコマ4店、ローソン1店。目印として店舗入り口などに黄色い「バス待ちOK!」のステッカーを張っている。

 各店舗は買い物目的でなくても入店を受け入れる。ただし、店内に専用スペースはない。また、運転手は店舗内の待合状況を確認しないため、バス停前に姿がなければ、通過する可能性もある。市は、バスの現在位置を検索できる情報サイト「さっぽろえきバスナビ」などの利用を勧めている。

 札幌運輸支局によると、16年度に旭川市で実証実験をしたところ、利用客に好評だった。苫小牧市の一部のコンビニでも同様の取り組みが行われている。【水戸健一】

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