セブン・ザ・プライスのコーナー(25日、東京都大田区)

イトーヨーカ堂は25日、低価格プライベートブランド(PB)「セブン・ザ・プライス」で、ツナ缶や菓子など新商品19品を売り出したと発表した。メーカーのナショナルブランド(NB)商品を中心に食品値上げが続くなか、NB商品より平均1〜2割安い低価格品の品ぞろえを充実させることで消費者の来店動機につなげる。

新商品は25日から順次、イトーヨーカドーや食品スーパーの「ヨーク」など196店舗で販売する。新商品とは別に、既存の冷凍のカットホウレンソウやブロッコリーなど9品は価格を据え置いて内容量を増やす。

「セブン・ザ・プライス 花かつお」(321円)は原料の仕入れから製品化まで一貫管理した。調味料の「同 にんにく塩だれ」(300円)は焼き肉のたれと同じ容器を使うことでコストを削減した。菓子やサバ缶など他の商品もシンプルな商品作りや物流の効率化を進めた。

2021年7月に11品で始めた「セブン・ザ・プライス」の売上高は25年2月期で前年度比2倍を達成した。25年3〜8月の売上高も前年同期比50%増と、当初計画を上回る伸び率となっている。商品数は8月末で約270品に増える見通しで、26年2月末までに300品まで広げる。

帝国データバンクによると、主要食品メーカーによる25年の値上げ品目数は2万品目を超える見込みだ。25日に開いた説明会でヨーカ堂の中村哲士執行役員は「消費者の間で『節約』がキーワードになっている」と説明。「購入頻度の高い商品を中心に品質を維持しながら手に取りやすい価格を目指し、消費者のついで買いも促す」と語った。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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