伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)

日本百貨店協会(東京・中央)が25日に発表した7月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比6.2%減の4683億円と6カ月連続で前年を割った。訪日外国人客の高額消費が一巡し、免税売上高は36.3%減の403億円と5カ月連続の減収だった。免税購買客数は16.7%減の47万6千人で、10カ月ぶりに50万人を下回った。

韓国人客の減少が続いているほか、7月に日本で大災害が発生するとの風説が広まったことで香港からの客数が大幅に減った。免税の1人当たりの購買単価は23.6%減だった。

国内売上高は1.8%減で6カ月連続のマイナスだった。同協会の西阪義晴専務理事は「(国内は)客単価、客数ともに改善傾向にある。夏休みや連休の家族向け企画、食品催事が奏功した」と分析する。

商品別でみると、主要5品目は全てマイナスだった。高級ブランドを含む身のまわり品(16.1%減)と衣料品(6.7%減)は6カ月連続の減収となった。地域別では、東京23区や大阪市など主要10都市は6.9%減で6カ月連続のマイナス、それ以外の地区は3.4%減で10カ月連続のマイナスだった。

ただ、足元では回復の兆しが見られる。8月1〜18日の主要百貨店の売上高は1.4%増で、中間報告でも前年割れが続いていたここ数カ月とは異なる傾向だ。

西阪氏は「24年5〜7月の免税売上高が飛び抜けていた一方、24年8月以降は巡航速度に近い数字になった。免税消費による押し下げ影響が薄まり、国内消費が活性化する中で何とか前年並みに持ち上がるのでは」と見る。その上で「(回復を)持続性あるものにするには、訪日客のリピーター増加などに向けた各社の施策が重要だ」と強調した。

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