
宇都宮市は12日、東京電力パワーグリッド(PG)の「新栃木変電所」の南側隣接地にデータセンターを誘致すると発表した。2026年4月に民間事業者を公募する。大規模な電力を早期に供給できる立地のため、資源エネルギー庁から6月に検討依頼があり、地権者との調整を進めていた。市がデータセンターを誘致するのは初めて。
新栃木変電所は市の北部にあり、栃木県内の再生可能エネルギーも集まる超高圧変電所だ。データセンターを誘致する南側隣接地(約37ヘクタール)には、受電設備を設ければ地中線で大規模な電力を直接供給できる。最大供給電力は400メガ(メガは100万)ワットで、データセンター約10棟分に相当する。
開発用地は開発に制限のある市街化調整区域で、転用条件が厳しい農振農用地でもある。市は「地域未来投資促進法」を活用し「栃木県基本計画」の「重点促進区域」に設定することで、転用や早期開発を可能にする。市によると「浸水想定区域などのハザードの指定がなく、周辺に活断層も存在していない災害リスクの低い安全なエリア」という。
26年4月に民間事業者を公募し、27年4月から選定した事業者と栃木県、宇都宮市の協議・調整に入る。29年には事業者による用地買収や造成工事、施設整備に着手する計画だ。

距離による通信遅延の問題で、データセンターは千葉県印西市周辺など都市近郊に集中している。地域分散の必要や通信技術の発展で、栃木県内では栃木市の産業団地にNTTグループが進出を決めた。矢板市も事業者誘致で名乗りを上げている。北関東が空白地から一転、集積地の候補として浮上してきた。
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