建設作業などでアスベスト(石綿)を吸って肺がんや中皮腫などになり、2024年度に労災認定された人は1211人だった。厚生労働省が17日発表した。数十年の潜伏期間を経て発症するケースが多く、今後も年間1千人超の労災認定が続く見通しという。

 石綿の健康被害で労災認定された人は24年度までの累計で2万3086人となった。労災が時効となった元労働者の遺族に対する「特別遺族給付金」の支給決定は24年度は238件あった。

 24年度に労災認定された人が働いていた事業所は1257カ所で、うち966カ所で初めて労災認定が出た。05年の公表以降、労災認定者が出た事業所はのべ2万624カ所となった。

 石綿は、天然の鉱物繊維で、1970~90年代に大量に輸入され、主に建材として外装や内装、外壁など幅広い場所に使われた。健康被害が問題となり、国は06年、製造や使用を全面禁止した。

 中皮腫、石綿肺、肺がんなどを引き起こす可能性があるが、吸い込んでから発症までに30~50年かかるという。潜伏期間を考えると、今後も労災認定は1千件超で続くとみられている。

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