アサヒグループホールディングス傘下のアサヒ飲料（東京・墨田）は、使用済みペットボトルのみを原料とする再生ペット樹脂を製造するケミカルリサイクルの仕組みを開発したと発表した。品質や量産化の課題などを検証し、2029年の商用化を目指す。

リサイクル事業を手掛けるJEPLAN（川崎市）やペットリファインテクノロジー（同）と共同で開発した。ケミカルリサイクルは、廃棄物を化学的に分解して元の化学原料に戻して再利用する手法。従来は再生ペット樹脂の品質を安定させるため、一部石油由来の原料を使用する必要があり、使用済みペットボトルの利用率は約72%だった。

今回開発した仕組みにより、石油由来原料を使わず、使用済みペットボトルのみを原料とするペット樹脂を製造できるようになる。JEPLANが特許を保有する独自のリサイクル技術を活用した。使用済みペットボトルを分子レベルまで分解して不純物を取り除き、高品質なペット樹脂にリサイクルする。

不純物が除去されているため、石油由来と同等の強度や色のペットボトルに再生できる。また、使い終わった再生ペットボトルは繰り返しのリサイクルが可能という。

アサヒ飲料は、今回の仕組みで製造した再生ペット樹脂を使用したリサイクルペットボトルを12月から当面の間、「カルピスソーダ　1.5リットル」に一部採用してテスト販売する。

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