出光興産の千葉事業所(千葉県市原市)のエチレン設備

三井化学と出光興産は19日、千葉県で計画していた基礎化学品であるエチレンの生産設備集約について2027年7月に実施すると発表した。出光の設備を止め、三井化学の1基に集約する。中国企業が増産している影響で低稼働の状態が続いていた。1基体制にし、稼働率の向上と収益の改善をめざす。

両社は千葉県市原市にそれぞれエチレン生産設備を持ち、折半出資する有限責任事業組合(LLP)が運営している。年間の生産能力が約37万トンある出光の設備を定期修理のタイミングに合わせて止める。約55万トンの三井化学の設備から供給する体制にする。集約後もLLPで共同運営する。

1基体制に伴う費用や製品の引き取り量の割合など詳細は非開示とした。国内のエチレン生産設備は稼働率が低迷し、40カ月連続で好不況の目安となる9割を下回っている。

国内には現在12基のエチレン生産設備があり、30年度までに4基が止まり生産能力は3割減る見込みだ。26年度には丸善石油化学が千葉県で1基止める方針で、国内で10年ぶりの停止となる。

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