東宝は19日、12月中に英国に欧州事業を統括する子会社を設立すると発表した。欧州での映像作品のライセンス事業、グッズなどの商品事業など、東宝の持つ知的財産(IP)戦略を担う。北米ではすでにグループ会社が同様の機能を担い、アジアでも24年にシンガポールに現地法人を立ち上げた。北米、アジア、欧州で自社コンテンツを直接展開する体制が整う。

東宝は2032年までの長期経営戦略で「海外」や「アニメ」を成長のキーワードとして掲げ、海外のアニメ制作スタジオや配給会社を相次ぎ買収してきた。新たな子会社は舞台「千と千尋の神隠し」などを英国で展開してきた東宝子会社の「TOHO THEATRICALS UK」に増資して組織改編し、東宝の海外事業全体を統括する子会社Toho Globalの傘下にする。

従来は地元企業にライセンスを供与する形で展開し、思うようなグッズ販売やイベント運営などがしづらかった。マーケティングやライセンス事業を東宝が直接手掛けることで「ゴジラ」や「アニメ」といったIPをきめ細かく展開できる。

ドイツのPLAION PICTURESから英国子会社で、アニメ作品に特化した配給会社のAnime社を買収し、英国、フランスなどはAnime社が、ドイツ、イタリアなどは提携するPLAION社が、東宝コンテンツの劇場配給、動画配信、グッズ販売などを展開する。

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