
ニデックは19日、創業者の永守重信・代表取締役グローバルグループ代表が取締役を辞任したと発表した。非常勤の名誉会長に就いた。ニデックは9月に不適切会計の疑いが見つかった。PwCジャパンが2025年3月期の有価証券報告書の監査意見を「意見不表明」とし、10月に日本取引所グループが内部管理体制の改善を求める特別注意銘柄に指定した。永守氏ら経営陣の責任の有無が焦点だった。
辞任は19日付。永守氏が務めている取締役会議長は岸田光哉社長が引き継ぐ。永守氏は今後、創業の精神の伝承とグループの価値向上に尽力するとしている。
永守氏は1973年に仲間3人とともに日本電産(現ニデック)を創業し、約50年にわたりニデックの代表取締役を務めてきた。2024年にソニー出身の岸田氏が社長に就任したが、M&A(合併・買収)などの重要な経営判断は永守氏によるところが大きかった。
ニデックは9月3日、不適切会計の可能性が見つかったと発表した。本社やグループ会社の経営陣が関与または認識したうえで、不適切な処理に関わったと解釈する余地のある資料を確認した。一連の事案を巡っては、永守氏を含む経営陣の責任や関与が焦点の一つになっており、第三者委員会が調べている。
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