サントリーの大阪工場で導入した作業ロボット=サントリー提供

サントリーは26日、大阪工場(大阪市)で原料の倉庫運搬から投入までの作業を自動にしたと発表した。無人搬送車(AGV)やロボットを導入したほか、人工知能(AI)やセンサーも使う。人手に頼っていた原料扱い作業を自動化することで、年間の作業時間を約2000時間削減できるという。

安川電機や東京ガスなどと共同開発し、8月から本格的に稼働させた。工場で扱う原料の7割が対象で、ジンの原料となるジュニパーベリー(セイヨウネズの実)や缶チューハイで使うレモンピールなどを含む。サントリーグループの工場で原料扱いの作業を自動にしたのは大阪工場が初めて。

自動化エリアでは7台のロボットと8台のAGVを導入した。開封作業ではAIカメラでそれぞれの原料の形態や外装を判別し、ロボットで対応する。投入前の計量・検査ではAIやセンサーで原料の腐敗や異物なども検知する。

具体的な投資額は明らかにしていないが、2024年から大阪工場を対象に増産や品質向上に向けて投じている55億円の一部に含むという。今後は対象原料を広げるほか、同様の取り組みの他工場への導入も検討する。

1919年に操業した大阪工場はサントリーに現存する最古の工場。ジンの製造のほか、缶チューハイやジンなどを使う原料酒造りも担う。

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