22日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)し、一時、前週末より0.080%幅高い2.095%をつけた。1999年2月以来、約27年ぶりの高水準となる。日本銀行が今後も利上げを進める姿勢を示したことに加え、高市早苗政権の積極財政の姿勢を受け、国債を売る動きが続いている。

 日銀は19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度から0.75%程度に引き上げ、30年ぶりの高水準となった。植田和男総裁が会合後の会見で「経済物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と、今後も利上げする考えを示し、金利の上昇圧力が強まったようだ。

 大手証券のアナリストは「高市政権が掲げる『責任ある積極財政』への懸念も、国債が売られる材料になっている」と話す。

 22日の東京外国為替市場でドル円相場は1ドル=157円台で取引され、前週末夕よりも円安方向に振れている。こちらは植田氏が、次の利上げの時期やペースには言及しなかったことで、日銀が利上げを急がないとの見方が拡大。低金利が続きそうな円を売る動きが広がったとみられる。

 円安の進行について、22日朝に財務省の三村淳財務官は記者団に対し、「一方向で急激な動きとみられるので憂慮している。行きすぎた動きに対しては適切な対応をとりたい」と牽制(けんせい)した。

 一方、東京株式市場では円安の流れが好感され、日経平均株価は一時、前週末の終値より1000円超高い5万0500円台をつけた。人工知能(AI)・半導体銘柄が買われている。

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