島津製作所(京都市)は25日、米投資ファンドのカーライル・グループ傘下で電子顕微鏡を手がけるテスキャン社(チェコ)を買収すると発表した。金額は6億7800万ドル(約1058億円)で、島津としては過去最大規模となる。2026年前半に完全子会社化することを目指す。

 テスキャン社は「走査型」と呼ばれるタイプの電子顕微鏡や半導体の故障解析技術に強みがあり、世界80カ国で事業を展開している。24年12月期の連結売上高は約300億円。島津とは24年から業務提携を結び、共同ブランドの電子顕微鏡を島津が販売するなどしてきた。

 25日にオンラインで記者会見した前田愛明(よしあき)・常務執行役員は「分析・計測機器市場の中でも電子顕微鏡は高い成長率が見込まれる。今回の買収で自社に欠けていたピースを埋めることができる」と語った。今後はがんの診断や電池材料の品質検査といった分野で両社の技術をまとめて顧客に提案するほか、お互いの販売網の有効活用などにも取り組むとしている。

     ◇

〈おことわり〉当初配信した記事の見出しで「電気顕微鏡」としていましたが、正しくは「電子顕微鏡」でした。見出しを修正しました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。