アイカ工業は家具に使われる「メラミン化粧板」でインドを開拓する

建築資材大手のアイカ工業は26日、インドの建装建材メーカーを買収すると発表した。買収予定額は153億〜203億ルピー(約267億〜355億円)とアイカの買収金額としては過去最高。不動産不況が長引く中国などの鈍化を背景に、成長を見込むインド市場の開拓を進める。

買収するのはインド北部の上場企業スタイラム・インダストリーズ。2025年3月期の売上高は約180億円で、家具や什器(じゅうき)に使うメラミン化粧板を手掛ける。TOB(株式公開買い付け)期間は26年2月下旬から3月上旬で、株式の40%以上を取得し連結子会社とする見込みだ。市場から集まらない分は創業家から株を買うことで成立させる。

アイカは建装建材事業と接着剤などを扱う化成品事業を手掛ける。メラミン化粧板の日本シェアは約8割を誇り、25年3月期の建装建材事業の売上高は1101億円。買収後、同事業の海外売上比率は2割弱から3割ほどに高まる見込みだ。

スタイラムの持つ販路と生産量の強みを生かす。スタイラムが新設した第3工場には最先端の生産設備がそろい、建装建材の生産量が倍以上に高まる。アイカによると、今回の買収で同社のメラミン化粧板のシェアがアジアトップレベルになる見通しだ。スタイラムは米国を始め世界中に販売しており、米国進出の足がかりにもなる。

買収の背景には海外売り上げの伸び悩みがある。特に中国では不動産不況が長期化がしており、回復には時間がかかる見方が多い。成長市場であるインドに足場を築き、今後拡大を狙う。

アイカは建装建材を成長事業と位置づけ、M&A(合併・買収)を中心に海外展開を急いでいる。同事業の利益率は25年4〜9月期で21%、スタイラムも16%と高い。19年にはメラミン化粧板で世界首位の米ウィルソナートのアジア太平洋部門を買収した。

中期経営計画では26年3月期に2650億円を見込む売上高を27年3月期までに3000億円に高める目標を掲げる。今回の買収で達成に向け弾みをつける。

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