記者の質問に答える九州電力の西山勝社長=福岡市中央区で2025年12月10日、玉城達郎撮影

 2025年は新政権が発足し、人工知能(AI)などへの積極投資を掲げる一方、長期金利の上昇や円安傾向が目立った。26年の経済はどうなるのか。九州電力の西山勝社長に展望や経営方針を聞いた。

 ――2025年は柏崎刈羽原発(新潟県)や泊原発(北海道)の再稼働に向けた地元同意が進むなど、原発を巡る情勢が変化しました。26年以降、九州で原発の新増設は進みそうですか。

記者の質問に答える九州電力の西山勝社長=福岡市中央区で2025年12月10日、玉城達郎撮影

 ◆(国が25年に策定した)第7次エネルギー基本計画に「原子力を最大限活用する」と明記されたことが大きい。新聞などの世論調査を見ると、原子力の必要性の理解も進んでいる。東日本大震災(11年)からこの状況になるまで、15年近くかかった。原発で事故が起きたら振り出しに戻る。安全に動かし続け、ささいな事でもトラブルは隠さず公表し、安心していただく。原発の新増設はその先の話だ。

 ――半導体工場やデータセンターの集積で、九州の電力需要は伸びると予想されています。

 ◆二酸化炭素を出さずに安定的に発電できる原発は重要で、新しい原発は必要だ。ただ、今は立地場所を検討しておらず、資金面の課題もある。建設費の高騰や安全対策で投資額は1兆円を超えそうだ。原発は計画から発電まで20年かかり、その間は収益を生まない。投資回収の予見性などで、(資金調達に向けて)金融機関の納得が得られにくい。

 ――国は公的融資による支援を検討しています。

記者の質問に答える九州電力の西山勝社長=福岡市中央区で2025年12月10日、玉城達郎撮影

 ◆公的融資はありがたいが、民間の金融機関が巨額の融資を決断するには不十分だ。脱炭素電源オークションも既にあるが、利益の9割を還付しなければならない。原発の建設期間中にリターンを得られる仕組みや、稼働後の収益を予想しやすい電気料金制度があった方がよい。

 ――次世代の原子炉の検討も経営ビジョンで示しています。

 ◆従来より安全性を高めた「革新軽水炉」を国内メーカーが開発している。海外では電力需要の大きな場所の近くに設置できる「小型モジュール炉」の実用化が進んでいる。水素製造に適する「高温ガス炉」などもある。今は対象を絞ることなく、どの技術が我々に適しているのか情報を収集している。【聞き手・久野洋】

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