伊勢丹新宿本店(2025年12月、東京都新宿区)

三越伊勢丹ホールディングス(HD)など百貨店大手4社が5日発表した2025年12月の免税売上高(速報値)は全社が前年同月比で減収だった。11月半ばに中国政府が日本への渡航自粛要請を出した影響が出ている。前週末の初売りにも免税売上高の減少が響き、2社が前年同期比で減収となった。

免税売上高は三越伊勢丹(首都圏既存店)が15.8%減、高島屋が11.1%減、J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が16.6%減、エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急阪神百貨店が2割減だった。中国客の売上高で見ると、高島屋は35%減、阪急阪神百貨店は約4割減だった。

初売りにも影響が出た。百貨店3社のうち、高島屋は前年同期比0.7%減、大丸松坂屋は5.3%減だった。高島屋は国内売上高は3%増と好調な一方、免税売上高は28%減と落ち込みが目立つ。三越伊勢丹は前年超えだった。

高島屋日本橋店の初売りで、婦人雑貨の福袋を買い求める人たち(3日、東京都中央区)

三越伊勢丹では、25年の免税売上高としては12月は2番目に高い売り上げだったという。「中国客の売上高シェアがあまり高くないこともあり、悲観する数字ではない」(三越伊勢丹ホールディングス)とした。

各社の免税売上高に占める中国客のシェアは、数年前と比べ低下している。大丸松坂屋では19年度に約85%だったが、25年度の上期は約66%だった。高島屋も新型コロナウイルス禍前は77%だったが、25年度の上期は56%だ。自粛下でも渡航する中国客を取り込みつつ、中国以外の顧客を開拓できるかも各社の売上高に響いてくる。

大丸松坂屋では顧客情報管理(CRM)を使い訪日外国人客と個別につながる施策を25年から展開しており、同年下期からは中国に加えタイも対象国にした。Jフロントの小野圭一社長は日本経済新聞社の取材の中で「渡航自粛要請の影響が長期化する可能性が高い中、中国以外の国や国内市場への販促強化でマイナス分を補いたい」と語った。

高島屋もシンガポール高島屋など自社の海外店舗の得意客にVIPカードを発行し、日本の店舗で免税手続きを優先して受けられるといったサービスを展開している。村田善郎社長は「東南アジア中心に店舗を持つ強みを生かし、顔の見える顧客を日本に送客していく」とコメントした。

12月の既存店売上高は大丸松坂屋(0.9%減)、阪急阪神百貨店(3.9%減)が前年を割った。三越伊勢丹は1.9%増、高島屋は4.3%増だった。国内売上高は、阪急阪神百貨店が阪急本店(大阪市)の改装に伴う売り場閉鎖などが響き前年を割った。三越伊勢丹(5.5%増)、高島屋(6%増)、大丸松坂屋(1.7%増)は増収だった。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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