
国内造船首位の今治造船が2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)を子会社化したことを受け6日、記者会見を開いた。両社が一体となって建造能力を高め、先行する中国勢や韓国勢を追う。今治の檜垣幸人社長は「総合的な経営判断が可能になる。世界における建造シェア維持のためにも増産体制を整えていきたい」と述べた。
5日付で今治がJMUに対する出資比率を60%に高めた。JMUの広瀬崇社長は「独自の技術を磨き伸ばしていくことはもちろん、液化二酸化炭素(CO2)運搬船など新たな分野では会社の垣根を越えて進めていきたい」と意気込みを示した。
JMUは大手重工・鉄鋼会社の艦艇・船舶部門が統合してできた経緯から、これまでJFEホールディングス(HD)とIHIがそれぞれ35%の株式を保有してきた。今治造船はJMU株を30%持っていたが、5日にJFEHDとIHIからそれぞれ15%の株式取得を完了し出資比率を60%まで引き上げた。

今治造船は国内建造量の3割強を占め、同2割弱のJMUと合わせると国内シェアは5割を超える。今治がタンカーやコンテナ船などの商船建造に強みを持つのに対し、JMUは艦艇や砕氷船などの特殊船を建造するノウハウを有し補完関係にある。
今治造船がJMUを子会社化したのは中韓勢に対抗する上で、従来の提携や協業では限界があったためだ。両社は2019年に資本提携を発表し21年に今治造船が51%、JMUが49%を出資する営業設計会社を発足させるなどしてきたが、コスト面の課題克服にはつながらなかった。子会社化で取引先との交渉力を高めコスト競争力を強化できる。
日本の造船はかつて世界市場でシェアトップだったものの、中国勢や韓国勢に押され、24年は1割台までシェアを落としている。トランプ米政権が米中対立や自国の産業育成の観点から造船を重要視しており、日本の造船業にも対米協力の期待がかかる。
国も国内造船への支援策を用意する。国土交通省は25年12月に「造船業再生ロードマップ」を発表し、35年に国内の建造量を1800万総トンへと倍増する目標に向けて業界の連携や再編による生産能力の拡大を盛り込んだ。国が主導して造船所を建設・整備する「国立造船所」の構想も出ている。
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