東京商工リサーチは9日、介護事業者の倒産が2025年に176件あったと発表した。前の年から4件増え、介護保険制度が始まった00年以降で最多となった。人手不足や物価高によるコストの増加で訪問介護を中心に経営が悪化した。
業態別にみると、訪問介護が10件増の91件だった。24年度の介護報酬改定で基本報酬を引き下げた影響が大きく、過去最多を更新した。デイサービスなどの通所・短期入所は11件減の45件、有料老人ホームは2件減の16件、その他は7件増の24件だった。

要因別では利用者の減少や人手不足による収益の悪化が15件増の140件と最も多く、全体の約8割を占めた。負債の総額は41%減の135億2000万円だった。
政府は25年度の補正予算で介護職員の賃上げや職場環境の改善支援として1920億円を用意した。25年12月〜26年5月に介護職員1人あたり最大で月1万9000円を補助する。
26年6月には介護報酬の臨時改定を実施する方針で、継続的に賃上げを支援する。東京商工リサーチの担当者は「一時的な人材確保にはつながるかもしれないが、中・小規模事業者の経営改善は見通しづらい」と話す。
同日は25年の調剤薬局の倒産件数が38件だったとも発表した。前の年から10件増加し、04年以降で最多となった。大手が再編で競争力を高める一方、中小の淘汰が進んでいる。
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