パーソル総合研究所は27日、就業者を対象に実施したテレワーク関連の調査結果を発表した。日本の正社員のテレワーク実施率は7月で22.5%と前回調査(2024年7月、22.6%)から0.1ポイント低下した。4割近くが実施頻度が減ったと回答するなど、企業側が出社を求める動きが出ている。

テレワークは柔軟な働き方のひとつとして定着し、継続を希望する人も8割に達しているが、人事管理などマネジメント上の課題などから広がりを欠く状況になっている。

今回の調査は10回目。7月11〜15日に全国の20〜50代の就業者3万731人に対してインターネットを通じ実施した。

企業規模別では、従業員1万人以上の大手企業の実施率が34.6%と前年同期比3.6ポイント減った。従業員1000〜1万人未満の企業は0.3ポイント減の29.9%、従業員100〜1000人未満の企業は0.6ポイント増の20.7%となった。

職種別では「コンサルタント」(62.2%)や「IT系技術職」(58.3%)で実施率が高かった。「資材・購買」の実施率は23.8%と前年同期から6.2ポイント減り、「広報・宣伝・編集」も5.5ポイント減の37.9%に低下にした。

テレワークの実施頻度は「1週間に1日未満」が29.1%、「1週間に1日程度」が20.3%となり、週1日以下が前年同期比5.8ポイント増の計49.4%となった。テレワーク実施者に今後の継続希望を尋ねたところ、「続けたい」「やや続けたい」が計82.2%と過去最高だった。

テレワークでの困りごとは、「運動不足を感じる」が55.4%と最も多いが、前年同期からは2.1ポイント減った。「部下の仕事の様子がわからなくなった」(上司のみ回答)は36.5%と、ここ2年で増加傾向だ。テレワーク時の不安感については「相手の気持ちがわかりにくく不安だ」が前年同期比0.2ポイント増の35.7%となった。

パーソル総研の小林祐児主席研究員は「この2年間で日本におけるテレワークが一定の安定・定着フェーズに移行している」とみる。一方で「上司が部下の仕事の様子が見えないなどのマネジメントに関する課題は、テレワーク普及後5年がたっても残っている」と指摘する。

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