九州フィナンシャルグループの笠原慶久社長=熊本市で2025年12月23日、中園敦二撮影

 2025年は新政権が発足し、人工知能(AI)などへの積極投資を掲げる一方、長期金利の上昇や円安傾向が目立った。26年の経済はどうなるのか。九州フィナンシャルグループの笠原慶久社長に展望や経営方針を聞いた。

 ――2025年は大きな節目の年になりました。

 ◆(肥後銀行と鹿児島銀行を傘下に持つ)九州フィナンシャルグループ(FG)が、10月に設立10周年を迎えた。銀行業は各行の独自性を尊重したビジネスモデルを貫き、それ以外の分野は共同で進めている。地域の社会課題解決を本業に組み込まなければいけない。DX(デジタルトランスフォーメーション)支援などの事業は始めたが、まだ大きな収益を出していないので、これからが正念場だ。

 ――熊本県でTSMC(台湾積体電路製造)の工場が稼働し、第2工場も建設予定です。

 ◆「半導体といえば肥後銀」と言ってもらえるようなブランドを作りたい。九州FGとしては熊本、鹿児島の両県にしっかり恩恵が出るように、取引先の支援などを頑張る。「新生シリコンアイランド九州」のために力を尽くし、中核メンバーとして関わっていきたい。

九州フィナンシャルグループ本社に掲げられたロゴ=熊本市で2025年10月7日、中園敦二撮影

 ――先端半導体の国産化を目指し、北海道に工場を置くラピダスについては?

 ◆出資を真剣に検討している。半導体のネットワークの中に入っていきたい。熊本県内の7、8社がラピダスとの取引を検討しており、こうした取引先を支援する上で、ラピダスへの資本参加には意味がある。九州の企業とラピダスの橋渡し役になれたらいい。

 ――金利が上昇しています。

 ◆一般論として債務の大きな企業が耐えられなくなる可能性があるので、(地銀は)しっかり寄り添っていかなければいけない。(返済が困難な)不良債権が出れば、「金利のある世界」が銀行にとってプラスとは言い切れない。

 これから(地銀は)他社に追随するだけでは失敗する。自ら立つという主体性が大事。経営の巧拙が問われる。【聞き手・中園敦二】

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