
産業装置を手がけるオーク製作所(東京都町田市)は、半導体製造向け露光装置の次世代機を2025年度中に出荷すると発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が開発を委託し、費用を負担した。半導体の組み立て工程で使われ、人工知能(AI)向けに需要が伸びる先端品の需要を取り込む。
半導体を組み立てる「後工程」と呼ばれる工程で使う露光装置を開発し、7月に受注を始めた。半導体チップと基板の間に挟まる「インターポーザー(中間基板)」と呼ばれる層に配線を形成する際に使う。
AIなどを駆動する半導体の先端品は、性能を高めるためにプロセッサーやメモリーといった複数のチップを一つに組み上げてつくる。インターポーザーがチップをつなぐ役割を果たす。
オーク製作所の後工程向け露光装置は、回路が描かれた「フォトマスク」と呼ばれる原版が不要な「マスクレス」と呼ばれる仕組みが特徴だ。インターポーザーの大型化など、業界の技術開発のトレンドに対応しやすい。

オーク製作所は1968年の設立で、露光装置や産業用ランプなどを生産する。25年3月期の売上高は約190億円だった。27日に都内で説明会を開いた橋本典夫最高経営責任者(CEO)は「半導体業界ではまだ知名度は低いが、NEDOのバックアップを機に売り込んでいきたい」と述べた。
露光装置を巡ってはキヤノンが後工程向けの需要拡大を背景に、宇都宮市で9月に新製造棟の稼働を始める。ニコンもオーク製作所と同じ仕組みの後工程向け装置を26年度に販売する計画だ。
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