日本ガイシは29日、独ボージック社の持ち株会社を買収する契約を解除したと発表した。マレーシアの親会社が経営悪化などに伴い同国で上場廃止となり、買収の前提条件が満たされなくなった。同社は気体や微粒子を分離する膜装置を手掛ける。日本ガイシは自社の「サブナノセラミック膜」技術を用いた脱炭素製品の実用化をめざしていた。
ボージックは1837年の創業で、膜装置のほか石油化学メーカー向けの熱交換器なども手掛ける。日本ガイシが2025年2月に公表した買収計画では2億7000万ユーロ(約420億円)で全株式を取得し、完全子会社とする予定だった。同社のM&A(合併・買収)としては過去最大としていた。
日本ガイシのサブナノセラミック膜は超微細の穴を持つ。メタンと窒素の混合気体から、窒素を分離するといった分子レベルのふるい分けができる。ガスから二酸化炭素(CO2)を分離させる脱炭素用途などが期待されている。ボージックが持つ膜を使った装置をつくる技術を取り入れ、製品化できるとみていた。
津久井英明財務部長は同日「仕切り直しの形になる。サブナノセラミック膜が花開くように必要なパートナーを探していかなければならない」と話した。契約解除による業績への影響はないとした。
日本ガイシが同日発表した25年4〜12月期の連結決算は、売上高が前年同期比7%増の4879億円、営業利益が17%増の730億円、純利益は微増の411億円だった。自動車部品で米国の関税引き上げ前の駆け込み需要があったほか、人工知能(AI)向け製品も好調だった。大容量蓄電池「NAS電池」の撤退に関する特別損失が純利益を押し下げた。
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