電力小売りの東京電力エナジーパートナー(EP)は28日、水素の製造装置を使って電力の調整力を売買する需給調整市場にこのほど参入したと発表した。山梨県内に設置している製造装置を使い、太陽光発電などが余った際に製造装置の稼働を高めるなどで需給のバランスを整える。天候に左右されやすい再生可能エネルギーの導入が増えるなか、新たな収益源に育てる。

東電は山梨県や東レと共同で運用している1500キロワット分の水電解装置を活用する。数秒で装置を起動・停止できるのが特徴で、指示が出てから10秒以内に調整へ使える「一次調整力」として市場で販売する。製造装置を電力の調整に活用することで、周辺の工場などに販売している水素の製造コストを抑えることにもつながる。

電力は需要と供給を常に一致させる必要があり、現在は火力発電所の出力を上げ下げすることによって調整している。ただ、脱炭素の圧力を受けて火力発電は閉鎖が相次ぐ見通しで、水素や蓄電池など新たな調整力が不可欠になっている。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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