
スウェーデンの家具大手イケアの日本法人、イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は29日、東京都心の2店舗を2026年初頭に閉店すると発表した。イケアは都心部の店舗で消費者との接点を増やし、電子商取引(EC)に誘導する戦略を立てていた。一定の効果を上げたとして、元々の主力である地方で小型店舗などの拡充に注力する。
閉店するのは新宿と原宿の2店舗。同社は日本国内で郊外型の大型店10店、都心店3店、商業施設内に2店の計15店を運営している。都心型店舗は東京・新宿、原宿、渋谷の3店舗で、今後はIKEA渋谷の1店舗のみとなる。渋谷店は昨年改装したばかりで、都心の拠点として残す。
閉店するIKEA原宿は20年6月、IKEA新宿は21年5月に開業した。新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要で家具市場が盛り上がるなか、都市部で消費者との接点を増やしECに誘導する戦略だった。足元での東京都内の売上高に占めるEC比率は38%と5年で14ポイント上昇。全店でもEC比率は23%と5年で10ポイント高まった。
EC比率が上昇したことから、今後は賃料負担の重い都市型店舗ではなく地方都市を中心に店舗網を拡充する考えだ。同社は閉店の理由を「長期的な成長を見据えた総合的な判断」としている。
同社は02年に設立。06年に千葉県船橋市の屋内スキー場「ザウス」の跡地に日本での1号店となるIKEA船橋(現IKEA Tokyo-Bay)を開業した。国内全店で海外も含めたイケアの3%にあたる年2874万人が来客する。
決算公告によると24年8月期の売上高は前の期比1%増の952億円だった。営業損益はIKEA前橋(前橋市)の開業費用や原材料高が響き、20億円の赤字(前の期は17億円の黒字)だった。
家具業界はコロナ禍の巣ごもり需要の反動減から抜け出せないでいる。矢野経済研究所の23年の調査によると、家庭用家具市場は25年に前年比1%増の6800億円とピーク時の22年比で4%減の見込みだ。家具は買い替えまでのサイクルが長く、反動減が長期化している。
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