電通グループの次期社長に就任する佐野氏

電通グループは13日、中核事業会社である電通の佐野傑社長(55)が3月27日付で社長に昇格する人事を発表した。五十嵐博社長(65)は退任する。佐野氏は従来型の広告ビジネスに次ぐ収益源としてコンサルティング事業を育ててきた。経営体制の刷新で広告以外の事業を拡大するとともに、不振が続く海外事業の再建を急ぐ。

佐野氏は3月27日に開催予定の定時株主総会を経て就任する。事業会社の電通社長には同社の松本千里副社長(59)が4月1日付で昇格する。

佐野氏は現在、中核事業会社である電通の社長のほか、電通グループのデピュティ・グローバル最高執行責任者(COO)も兼ねている。営業を中心にキャリアを積み、新事業としてコンサルティング部門の立ち上げと育成を担ってきた。

佐野氏はコンサルティング事業やスポーツ・エンターテインメント事業などの海外展開を進め、従来の広告ビジネスにとどまらない複合的なサービスを提供する体制を推進してきた。早期の立て直しに向けて不採算事業を見直し、成長軌道への回帰を急ぐ。

五十嵐氏は2022年に電通グループの社長に就任した。グローバル化を掲げて13年ごろから進めた海外でのM&A(合併・買収)戦略の立て直しを担った。

ただ、事業統合が想定通りにいかず、19年ごろからは巨額ののれんの減損損失を計上。再建の一環として、25年8月には海外で従業員の約8%にあたる約3400人を削減する方針を発表した。

それでも業績改善のめどは立たず、25年12月期業績は3期連続の最終赤字となったもようだ。五十嵐氏は一連の責任を取る形で退任することを決めた。

佐野 傑氏(さの・たけし)92年(平4年)東大経済卒、電通入社。21年電通執行役員、24年社長。25年から電通グループ執行役dentsu Japan CEO兼デピュティ・グローバルCOO。神奈川県出身。55歳。
電通社長に就く松本千里氏
松本 千里氏(まつもと・ちさと)1992年(平4年)慶大経済卒、電通入社。23年執行役員、26年1月副社長。59歳。

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