日立製作所の瀧本晋人事責任者(右)に要求書を提出する日立労組の半沢美幸中央執行委員長(19日、東京都千代田区)

日立製作所など電機大手の労働組合が19日までに、2026年春季労使交渉の要求書を会社側に提出した。ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分は月額1万8000円を要求した。25年の1万7000円を超え、1998年に現在の要求方式になってから最高となった。データセンターや再生可能エネルギー関連需要の高まりで堅調な各社業績や物価高などを反映した。

日立の瀧本晋人事責任者は要求書の受け取りに先立って記者会見を開き「企業業績を踏まえて前向きに賃上げを検討したい」と語った。データセンターの建設拡大に伴い、送配電インフラを手掛ける日立の業績も拡大が続いている。

日立は25年までの3年間で物価上昇を上回る賃上げを実施した。人への投資が企業の成長につながる好循環ができているとみる。瀧本氏は「お金だけでなく様々な手当や制度拡充など、総合的に支援していく」と強調した。

東芝は労組からの要求を受けて「物価上昇が続く中で一定程度の賃上げが求められている状況を認識している」とした。その上で回答については「経営環境や業績を踏まえた支払い能力、これまでの経緯などを総合的に勘案し慎重に検討する」とコメントした。

電機の主要企業労組は同じ額で賃金改善を求める統一闘争を実施する。各社労組で構成する電機連合は統一要求水準として1万8000円以上を掲げており、神保政史会長は「実質賃金はマイナス傾向だ。昨年以上のものを要求額に込めなければいけない」と強調する。

三菱電機労働組合は1万8000円のベアと合わせて宿泊費の上限見直しや長期出張者に対する手当導入などを盛り込んだ労働協約の改定も求めた。「現場の実態に即した労働協約改定交渉に取り組み、働く意欲がいっそう高まる環境整備を着実に進める」という。

シャープ労組もベア1万8000円を要求。「26年3月期は増益を見込んでおり業績は回復傾向にある。組合からの期待の声も大きい」という。初任給引き上げも主要な交渉テーマのひとつで、大卒初任給を26万9000円から28万2000円とする1万3000円の引き上げを求めた。

NEC労組は初任給を大卒で29万4000円から30万8700円以上とするよう1万4700円の引き上げを求めた。賃上げ要求はベアと定昇を合わせて6.5%とし、ベア分は1万8000円に相当する5%とした。

【関連記事】

  • ・トヨタ系労組、賃上げ要求5年ぶり前年下回る 試される持続力
  • ・賃上げ要求、逆風下でも最高水準 関税影響のマツダや日野自動車も
  • ・3メガバンクのベア最高水準へ 物価高・好業績を背景に労組要求

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。