東京都心に建つ高層ビル=本社ヘリから平川義之撮影

 2026年春は企業の6割が賃上げする見通し――。帝国データバンクが企業約1万社に実施した調査結果で明らかになった。賃金改善を予定する企業の割合は5年連続で増加し、調査を始めた07年度以降で最も高くなった。

 26年春闘では物価上昇を上回る賃上げを実現できるかが焦点。調査は1月に実施し、1万620社の回答を集計した。

 正社員のベースアップや賞与の支給など、賃金改善を見込む企業は前回25年度調査から1・6ポイント増加し、63・5%に上った。内容は「ベースアップ」が2・2ポイント増の58・3%、「賞与(一時金)」は0・8ポイント増の28・2%だった。

帝国データバンク

 業界別では「製造」が71・5%と最多で、「運輸・倉庫」が69・1%、「建設」66・5%。賃金改善を予定する企業にその理由を尋ねると(複数回答)、「労働力の定着・確保」が74・3%で最も多く、「従業員の生活を支えるため」が61・5%、「物価動向」が53・0%で続いた。

 人手不足が続く運輸業などで賃上げの強い動きがあるほか、25年度に全国平均が過去最高となる66円の引き上げとなった最低賃金(時給)の影響をあげた企業も29・2%と目立った。

 賃金改善を予定しない企業は11・8%と過去最も少なかった。ただ、従業員数が「5人以下」の3割が賃金改善しないと答えており、小規模企業の経営環境の厳しさがうかがえた。

 自由コメントとして企業からは、「一定の価格転嫁もできており、収益も確保できているが、今後の社会情勢次第では賃上げが困難になると予想」(鉄骨工事)▽「さまざまなコスト上昇により、体力がある企業と厳しい企業での差がますます拡大する」(不動産代理・仲介)▽「所得の伸び率がインフレ率を上回る流れが必要」(空容器卸売り)といった意見があった。【嶋田夕子】

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