
帝国データバンク福岡支店がまとめた全国の焼酎(泡盛を含む)メーカー上位50社の2024年の売上高は合計で2227億円となり、前年に比べ1.6%減った。前年を下回るのは2年ぶり。最大手の霧島酒造(宮崎県都城市)が原料となるサツマイモの生育不良を起こす基腐(もとぐされ)病の影響により減収となったことが響いた。
調査は売上高に占める焼酎・泡盛の割合が5割以上の全国のメーカーを対象に、24年1〜12月に期末を迎えた通期決算を集計した。

メーカー別の売上高ランキングでは、芋焼酎「黒霧島」などを製造する霧島酒造が13年連続で首位だったものの、売上高は病害により11.8%減と落ち込んだ。
2位は同じく13年連続で、麦焼酎「いいちこ」を主力とする三和酒類(大分県宇佐市)だった。
前年に続き3位となった「大分むぎ焼酎二階堂」を製造する二階堂酒造(大分県日出町)は、外食など業務用の販売を拡大したほか、原材料価格の高騰を背景に値上げを進めたことで売上高が伸びた。

上位50社合計の売上高は若者の酒離れなどの影響もあり、ピークの08年から約3割減少した。
24年の最終損益が判明した40社のうち、赤字の企業は10社と全体の25%を占めた。前回調査より構成比が5ポイント増加しており、帝国データバンクの担当者は「原材料費や人件費の高騰などコスト増を吸収できず業績が低迷する企業もある」と指摘する。
霧島酒造は29年ぶり、浜田酒造(鹿児島県いちき串木野市)は31年ぶりに創業家の次の世代へと社長が交代した。霧島酒造の江夏邦威社長は「新しい層の開拓には新しい価値を提案していかなければいけない」と話し、新鮮な果実感が特徴の香り系と呼ばれる焼酎で若者の需要を開拓していく。
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