米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ワシントンで2026年3月18日、ロイター

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は18日、自身の後任に指名されたウォーシュ元FRB理事の議会承認が遅れた場合、5月の任期満了後も「暫定議長」として引き続きFRBのトップにとどまる考えを示した。

 FRB議長は大統領の指名後、連邦議会上院の承認を経て就任する。トランプ政権はFRBに利下げを強く迫っている。司法省がパウエル氏の捜査に踏み切ったことにも上院内で反発が広がっており、承認は難航している。司法省が捜査から手を引かない限り、パウエル氏がFRBを率いる体制が当面続く事態が現実味を帯びている。

 政策金利を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエル氏は「捜査が透明性を持って完全に終了するまで理事会を離れるつもりはない」と述べ、捜査が終結するまで理事職にもとどまる考えを強調した。

 パウエル氏の議長の任期は5月15日に満了となる一方、理事としての任期は2028年1月まで続く。FRB議長は退任時、理事も辞任するのが慣例となっているが、暫定議長を含めトランプ政権の圧力に屈しない姿勢を示した形だ。

 司法省は1月、FRB本部ビル改修工事を巡る虚偽の議会証言をした疑いがあるとして、パウエル氏への刑事捜査に着手した。トランプ大統領は大規模な利下げを求めてFRBに対する非難を繰り返しており、一連の捜査は中央銀行に対する前例のない圧力として注目されている。

 司法省はパウエル氏に大陪審の召喚状を送付したが、米連邦地裁は今月11日付で召喚状は無効として却下した。司法省側は地裁の判断を不服として上訴する方針を示している。【ワシントン浅川大樹】

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