トランプ米大統領は2日、輸入医薬品に最大100%の関税を課す大統領令に署名した。日本や欧州連合(EU)に対しては貿易合意に基づき15%に抑制する例外措置が講じられる。発動まで4~6カ月程度の猶予期間を設け、米国での生産拠点の建設や医薬品の価格引き下げを製薬会社に求める仕組みとした。高額な医薬品に不満を抱く国民に向けたアピール材料とする狙いがあるとみられる。

 今回の関税は通商拡大法232条に基づく措置。特許医薬品とその有効成分が対象となる。ジェネリック医薬品(後発薬)は除外した。大企業向けには120日後(7月31日)、中小企業向けには180日後(9月29日)にそれぞれ発動する。

 負担軽減措置として、米国で生産拠点を建設すると約束した企業の医薬品は2030年4月まで100%から20%に引き下げる。さらに自社の医薬品を世界最低価格で販売することで米政府と合意した場合、トランプ政権が終わる29年1月20日まで関税を免除する。米欧の製薬大手など十数社は既にトランプ氏との個別交渉で合意にこぎ着け、関税免除が決まっている。

 トランプ政権としては、100%という桁違いの高関税を脅しの材料とし、対米投資や薬価引き下げにつなげたい思惑がある。日本とEUのほか、韓国とスイスも15%の関税が適用される。【ワシントン浅川大樹】

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