
高卒者採用支援のジンジブは1日、高校生向けにメタバース(仮想空間)上で求人企業の情報を収集できるサイトを8日に開設すると発表した。東京や大阪、愛知など20都府県の製造・建設・小売りなど約100社がブースを設け、画像や動画を使って職場環境や業務内容を説明する。
新サービス「ジョブドラフト 〜メタバースFes〜」は、大日本印刷、メタバース事業を展開するmonoAI technologyと協力して開発し、2026年3月末まで提供する。学校単位または高校生個人で参加申し込みができ、利用は無料だ。高校生は自分のアバター(分身)を使って移動し、各都府県の企業ブースへ訪問できる。
高校生の就職活動は学校に届く求人票を基に応募先を1社とする「1人1社制」の慣行がある。学校側は履歴書の作成や面接の練習などの負担が減り、生徒を確実に就職させやすい。企業側も内定辞退が少なく、効率よく人材を確保できるとして定着した。
一方で、高校生は企業を十分に比べられず、ミスマッチを生む可能性が高いとの指摘もある。早期退職を防ぐためにも、高校生に提供する情報の量と質の充実が求められる。
企業の高卒人材の採用意欲は強い。厚生労働省の調査によると、25年3月卒業者向けのハローワークでの求人数は前年度比3.5%増の49万9237人で、10年間で58%増えている。ただ、高卒社会人の3年以内の離職率は23年時点で17.4%と、大卒よりも6.5ポイント高い。
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